無農薬で挑む!夫婦で歩んだ田んぼ稲作づくりの四季 〜茅生(かやおい)さんご夫婦の一年間の奮闘記 (南市原にて)~ 2025年11月11日 (#市原 #無農薬 #稲作 #不耕起栽培 #自然農 #農業体験 #夫婦の挑戦)
- 11月11日
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更新日:11月13日
昨年の秋、私たち夫婦は毎週末のように南市原の高滝でキャンプを楽しんでいました。
ある日、キャンプ場のオーナーである星野さんから「田んぼを借りたい人はいないかな?」と声をかけていただきました。
その時は、「お米作りは機械がないとできないし、簡単に始められるものではない」と思っていました。
でも、テレビやSNSなどで、田植えから収穫まで手作業でお米作りをされている方々の姿を見て、「私たちにもできるのではないか」と思い直しました。
そして思い切って、星野農園高滝湖が所有する田んぼをお借りし、無農薬のお米作りに挑戦することにしたのです。
肥料も農薬も使わず、自然の力に委ねながら一からの米づくりに挑戦しました。
この一年、四季の移ろいとともに田んぼと向き合った日々の記録をお届けします。
茅生 伸治

❄️ 冬 田んぼの準備からスタート(不耕起栽培の始まり)
12月、冷たい風の吹く中、私たちは剣先スコップを手に田んぼに立っていました。
まず取りかかったのは、田んぼの周囲に溝を掘る作業です。
土壌の団粒構造や微生物の働きを守り、自然の力を活かす**「不耕起栽培」**で稲作りを行うため、田んぼの周囲に溝を掘って水を溜め、常に田んぼが潤うようにしていきます。
手作業での作業は想像以上に大変で、硬い土や石に何度も苦戦しましたが、少しずつ形になっていく様子に手応えを感じました。
2月、ようやく掘り終えたとき、冬枯れの景色の中に私たちの汗と努力の跡が刻まれていました。
初めての作業をやり遂げたとき、「いよいよここから始まるんだ」と胸が高鳴りました。
🌱 春 苗代づくりと種まき(自然の力を信じて)
GW明け、田んぼの一角を使って苗代を作り、種籾をまきました。その上に草をかけて鎮圧し、鳥や獣に荒らされないように枝で囲いました。さらに苗代の周りに浅い溝を切り、半分ほど水を入れて田んぼ全体が湿った状態を保てるよう工夫しました。
芽が出始めたとき、小さな緑が田んぼの中に広がっていく様子に胸がいっぱいになりました。自然の力と、自分たちの手のぬくもりが重なるような、不思議な感動がありました。
🌾 夏 田植えと草との戦い(手作業の喜びと苦労)
6月下旬、いよいよ田植えの季節がやってきました。鍬ですくい取った苗を2〜3本ずつ束ね、一つひとつ丁寧に植えていきます。田植えが終わってから、田んぼ全体に行き渡るように水を入れます。
夫婦2人だけでの作業は想像以上に体力を使いました。途中で、根を土で固めてからノコギリ鎌で開けた穴に差し込むと植えやすいことに気づき、少しずつコツをつかんでいきました。
田植えが終わると、次は草との戦いです。除草剤を使わない自然農法(無農薬)では、雑草が勢いよく育ちます。毎週末、田んぼに通っては草を抜き、水の量を調整しながら、稲の成長を見守りました。泥にまみれながらも、夏の光と風が、私たちをそっと励ましてくれました。
🍁 秋 稲刈り、そして脱穀へ(実りの季節)
秋になると、田んぼは黄金色に輝きました。風にそよぐ稲穂を見上げながら、ここまでの稲作づくりの努力が報われるような気持ちになりました。
稲刈りは手作業で行い、星野農園のブルーベリー支柱をお借りして稲架掛けをしました。風に揺れる稲の列を眺めながら、「ついにここまで来た」と胸が熱くなりました。
約2週間後、いよいよ脱穀のとき。地元市原でご活躍の師匠杉田さんのコンバインをお借りし、機械の力に驚きながらも、自分たちの手でここまで育てたことに深い感動を覚えました。
脱穀後は農園のハウスでブルーシートとゴザを敷き、さらに乾燥を促し収穫の喜びと達成感を噛みしめました。
お椀一杯ほどの種籾から、袋いっぱいのお米を収穫できたとき、1年無事に終えられたことにホッとしました。
<一年を終えて>
一粒に宿る、挑戦の証
最初の一掘りから収穫まで──すべてが学びと感動の連続でした。自然の力を感じ、天候の変化に左右され、手作業の大変さを知りました。そして、自分たちの手で育てたお米を見て、噛みしめて、初めて「食べる」という営みの尊さを実感しました。
夫婦で挑んだこの一年。
たくさんの仲間に支えられました。
だからこそ、このお米には“人とのつながり”の香りも乗っています。
「自分の手で育てたい」という想いを持つあなたへ——
農は、自然と触れ合い、時間をゆっくりと味わい、心を優しくしてくれます。もし、あなたが自然農の米作りに興味を持たれたなら、私たちの経験が少しでも背中を押せたら嬉しいです。
茅生
茅生さんご夫妻様
この一年の無農薬による稲作づくり、本当にお疲れさまでした。
冬の寒さの中から始まり、春の芽吹き、夏の草取り、そして秋の実りへ——。お二人の歩みはまさに日本の農業の原点に触れるものでした。手作業、無農薬で土に向き合い、自然の力を信じながら一粒一粒の命を育てた経験は、何ものにも代えがたい宝物だと思います。
この挑戦を通じて感じられた自然の恵みや人とのつながりが、これからのお二人の暮らしに新しい喜びをもたらしてくれることでしょう。どうか、これをきっかけにこれからも農や自然に親しみ、季節の移ろいの中で新たな発見を重ねていってください。
心からの敬意と感謝を込めて。
南市原 星野農園高滝湖 園主 星野真人
















































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